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【この本と出会った】美術家・ミヤケマイ「愛せるものを見つけよ」 『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳

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【この本と出会った】
美術家・ミヤケマイ「愛せるものを見つけよ」 『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳

『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳(新潮文庫・400円+税) 『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳(新潮文庫・400円+税)

 昔から女子の間ではまことしやかに、結婚して幸福になるなら、自分が一番好きな相手より、自分を最も愛してくれる人を選ぶ方が良いといわれている。好き過ぎると苦痛や上手に処せないと感じるからか、はたまた愛されているという余裕や安心感を人は好むからなのかもしれない。しかし大概の人は考えない。自分に安心感や愛を与えていたものが変容したらどうなるのか、自分を良く見せようとして疲れるのは、なぜなのだろうかとは。「我々がある人間を憎む場合、我々はただ彼の姿を借りて、我々の内部にある何者かを憎んでいるのである。自分自身の中にないものなんか、我々を興奮させはしないものだ」とヘッセは言っているが、それは愛についても同じなのである。人がどう言おうと、報われなかろうと、愛せるものを見つけよ。その果てには、愛することの面倒くささ、困難さを補って余りある幸福の境地があることを示している。ガンジーやマザー・テレサ、ヨガナンダが見たのは、恐れも孤独もない景色なのではないか。

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