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【歴史の交差点】出口見えぬ中東複合危機をどう乗り切るか? フジテレビ特任顧問・山内昌之

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 2016年も明けてすぐの1月3日、サウジアラビアがイランとの国交断絶に踏み切った。国際政治と石油市場が動くなかで、私はイランはじめ中東に出張した。断交のきっかけは、イランの「暴徒」がテヘランとマシュハドのサウジ大使館と領事館を焼き打ちにした点にある。

 イラン人が激昂(げきこう)したのは、サウジが反政府と反王室の転覆活動に関わった著名なシーア派指導者のニムル師を処刑したからだ。事件の連鎖は、イランとサウジとの対決の中心軸にあるシーア派対スンニ派という宗派対立を深めかねない。

 イスラムには宗派対立がないと言う人がいる。市民レベルでの善意は理解できるが、宗派イデオロギーに基づく政治対決の論理は、イラクとシリアの内戦に関連して深まるばかりなのだ。シリアのアサド政権やレバノンのヒズボラ(神の党)の同盟者たるイランと、「イスラム国」(IS)やその背後に連なるサウジとの対決は、1980年のイラン・イラク戦争で始まったシーア派対スンニ派紛争の極致でもある。これからも、宗派と政治の絡んだ文明内対立は深化することはあっても、薄まることはないだろう。政治化したセクタリアン・クレンジング(宗派浄化)の恐怖は、いまや中東の広い範囲に及んでいる。

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