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【産経Health】胸の痛み長引いたら…心筋梗塞の恐れ

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【産経Health】
胸の痛み長引いたら…心筋梗塞の恐れ

伊藤良明氏 伊藤良明氏

 ■時間との勝負 ためらわず救急車を

 寒くなると増える急性心筋梗塞。室内外の寒暖の差が血圧に影響を与える、寒さが血管を収縮させる-などが原因と考えられている。命にかかわる病気だけに、一年を通して注意が必要であることは言うまでもないが、冬場は特に要注意といえるだろう。心筋梗塞のカテーテル治療に多くの実績を持つ、済生会横浜市東部病院の伊藤良明心臓血管センター長に聞いた。

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 心臓を通っている冠動脈という血管に動脈硬化が起こると、プラークと呼ばれるかゆ状の塊ができ、プラークが破裂すると血の塊である血栓が血管を詰まらせて心筋を壊死(えし)させる。これが心筋梗塞で、そのままの状態が続くと心臓は止まってしまうので、「発症したら1分でも1秒でも早く医療機関を受診することが重要」と、伊藤氏は言う。

 ◆15分以上続く痛み

 典型的な症状は、持続する胸の痛み。動脈硬化が起こると血管が狭くなるので、心臓への血液の供給が不足し、胸痛が生じる。体を動かしたときだけ胸が痛み、休むと治まるものは狭心症で、この場合はどんなに長く続いても痛みは15分程度で治まる。15分以上たっても治まらない場合は、心筋梗塞の可能性が高い。また心筋梗塞は、胸痛以外にも肩や首、腹痛など胸部周囲に痛みが放散することもあり、冷や汗、嘔吐(おうと)、息切れ、動悸(どうき)、めまい、失神などの症状を呈することもある。

 ただし問題なのは、症状がまったくないまま発症する人も10~20%いることだ。そのような場合は本人も気付きようがないが、伊藤氏は「そもそも動脈硬化の危険因子は糖尿病、高血圧、脂質異常症、家族歴、加齢、ストレス、肥満、喫煙。これらの危険因子がないのに心筋梗塞を起こす人はほとんどいない」と言い、これらの病気や生活習慣のある人は、日頃から注意した方がよいとアドバイスする。

 ◆2時間以内に

 心筋梗塞を発症したら、時間との勝負となる。時間が経過すればするほど心筋の壊死が進んでいくので、死亡率は上昇し、命が助かっても後遺症が出る。

 伊藤氏は「胸痛が数分で治まるようなら近所のかかりつけ医でも良いが、痛みが長く続いたり、繰り返したり、安静時にも起こるようなら、ためらわずに救急車を呼ぶべきだ」と指摘する。

 ◆カテーテル使用

 治療は、カテーテルを使った再灌流(かんりゅう)療法が現在の主流。手首などから2~3ミリの細いカテーテルを挿入していき、心臓に到達したら冠動脈の詰まっている血栓を取り除き、金属製のステントを植え込んで再開通させる。心筋の壊死は、発症から2時間くらいは緩徐に進み、その後急速に進行して6時間を過ぎたあたりからほぼ完成してしまう。したがって、再灌流は2時間以内、遅くても6時間以内に行うことが望ましい。

 心筋梗塞の死亡率は30~40%だが、専門病院にたどり着いた場合は5~10%。病院に着きさえすれば、命が助かる確率が高い。夜間に発症した場合は近所迷惑になるからと救急車を呼ぶのを朝まで待ったり、近年は安易な救急車利用が問題になっていることからためらったりする人もいるが、一刻を争う病気だということを認識することが大切だ。

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