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【新元素113番の輝き(上)】ドンペリをたたき割り実験続行「魔の7年間」乗り越え、日本が露米に逆転勝利した真相とは

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【新元素113番の輝き(上)】
ドンペリをたたき割り実験続行「魔の7年間」乗り越え、日本が露米に逆転勝利した真相とは

悲願百年、三度目の正直

 日本は過去に二度、新元素の発見を逃している。元東北大総長の小川正孝博士は明治41年、鉱石から43番を発見したとして「ニッポニウム」と命名したが、後に別の元素と判明し周期表から削除された。

 昭和15年には理研の仁科芳雄博士が93番の存在を加速器実験で示したが、検出には至らなかった。理研の加速器は戦後、原爆製造用と誤認した連合国軍総司令部(GHQ)によって破壊され、日本の原子核研究は大きく立ち遅れた。「三度目の正直」となった113番は、日本にとって100年越しの悲願成就だ。

 仁科研究室は実験装置を手作りして、最高の成果を出すのが伝統だった。その精神を受け継いだ森田氏。初の新元素を手作りの装置で実現させた。「尊敬する仁科先生が追い掛けた夢をかなえることができて、うれしい」と話す。

 森田氏が長年続けてきた初詣の賽銭(さいせん)は113円。「今年はこれが最後かと思うと実に感慨深かった」。チームはもっと難しい120番の発見を次の目標に掲げている。共に歩んだ森本氏は元日、理研近くの神社で120円を投げ入れ、新たな闘志を燃やした。

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