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【編集者のおすすめ】『物理学者が解き明かす重大事件の真相』下條竜夫著

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【編集者のおすすめ】
『物理学者が解き明かす重大事件の真相』下條竜夫著

『物理学者が解き明かす重大事件の真相』下條竜夫著(ビジネス社・1800円+税)

 ■「文系」にもわかりやすく

 たとえば、福島第1原発事故で放出された放射性物質が実際より高く見積もられているとしたら。たとえば、平成17年に起きたJR福知山線脱線事故の原因がスピードの出し過ぎによるものではなかったとしたら。たとえば、ビッグバン理論が間違っているとしたら…。

 現役の物理学者にして兵庫県立大学理学部准教授である下條竜夫氏は、本書で次のように述べている。

 福島第1原発事故における「実際の放射性物質放出量は、計算放出量の100分の1以下だ」と。また、福知山線脱線事故に関しては「カーブで、遠心力で転倒した電車は過去にない」とし、「あまり知られていないが、ビッグバンを否定する実験事実は、実は昔からたくさんある。特に天体観測の実験結果と矛盾する」と記す。

 生真面目な風貌の科学者の真摯(しんし)な主張に接し、まったくの文系頭で、数学、物理、化学をことごとく苦手科目としていた身としては、「理解できないと思って、けむに巻くつもりなのか?」「科学者は皆、衝撃的な事実を私たちに隠しているのか?」と、初めは身構えるばかりだった。

 が、その「真実」を、科学者の批判的思考で純「文系」にもわかりやすく解き明かしていただこうではないか。これが本書の出発点となった。

 他に「和歌山毒カレー事件」「STAP細胞捏造(ねつぞう)疑惑」「地球温暖化の実態」など、さまざまな事件の真相を科学の目であぶりだした一冊である。(ビジネス社・1800円+税)

 ビジネス社編集部・岩谷健一

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