産経ニュース

直線と曲線が織りなす鉄の造形美 平塚市美術館「前田哲明の彫刻」展

ライフ ライフ

記事詳細

更新


直線と曲線が織りなす鉄の造形美 平塚市美術館「前田哲明の彫刻」展

彫刻家、前田哲明の大作

 鉄の作品を制作する彫刻家、前田哲明(のりあき)(54)の個展が神奈川県の平塚市美術館で開かれている。

 美術館のロビーを会場にした企画展だ。目を引くのは、筒状や板状の鉄の断片が寄り添う高さ5メートルもある大作。表面はバーナーの高熱で焼かれて発生した無数の小さなデコボコに覆われている。筒状の部分には自然に朽ちたような形状も見える。鉄のシャープな直線と加工された柔らかい曲線が織り成す造形美。

 床と壁面が白っぽい大理石の空間で、黒いオブジェが強く存在し、迫ってくる。作者は建築空間との調和よりも「違和感を意識して制作した」という。

 前田は東京芸大大学院を修了した。平成9年、文化庁の芸術家在外研修制度でロンドンに1年間留学した。英国の彫刻庭園「ヨークシャー・スカルプチャー・パーク」など海外での発表で実績を積み上げ、日本では「水と土の芸術祭」(新潟県)などに出品している。

 美術館の野外には、ドローイングを繰り返すなかで生まれた形だという球体の小さな彫刻が設置された。ロビーからコロコロと転がって外に飛び出てしまったように見える。美術館という静かな空間に動的なリズムを加えているようだ。4月10日まで。月曜休。無料。問い合わせは同美術館(電)0463・35・2111。

「ライフ」のランキング