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【月に挑む 日本初の着陸計画(下)】中国成功…国際競争に危機感

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【月に挑む 日本初の着陸計画(下)】
中国成功…国際競争に危機感

 

低コスト、不戦敗から脱却

 「宇宙の探索は中華民族千年の夢。わが国の月探査は新たな段階に入る」

 2013年12月、中国は旧ソ連、米国に続く無人探査機での月面着陸に成功し、宇宙大国としての地位を高らかに誇示した。それは世界で3番目の着陸を目指してきた日本が敗北した瞬間でもあった。

 日本の月面構想は迷走が続いた。月探査機「かぐや」の後継となる大型着陸機は9年前に検討が始まったが、500億円に及ぶ開発費が壁になり、具体化していない。国が宇宙開発の重点を安全保障分野などに移したことや、長期戦略の欠如が背景にある。

 ようやく浮上した初の着陸機「スリム」計画。小型で低コストな機体が持ち味だが、それは予算を何とか獲得して、これ以上の不戦敗は避けたい宇宙航空研究開発機構(JAXA)の苦肉の策だった。

 月面を狙うのは日中だけではない。インドは数年以内に着陸し、探査車も走らせる。3年後の打ち上げを目指すスリムは先を越される可能性があり、世界4番目の座すら危うい。ロシアも来年、再び着陸する。

 宇宙探査に詳しい会津大の寺薗淳也准教授(47)は「後れを取った日本は追い詰められている。国際競争に乗り遅れる危機感が、スリムに現実味を持たせた」との見方を示す。

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