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【回顧 平成27年】文芸 心に響く苦い記憶の物語

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【回顧 平成27年】
文芸 心に響く苦い記憶の物語

芥川賞受賞が決まり会見場に入る又吉直樹さん(右端)。会場は椅子に座れない報道陣であふれた=7月16日、東京都千代田区(鴨川一也撮影)

 福島県出身の古川日出男さん(49)の野間文芸新人賞受賞作『女たち三百人の裏切りの書』(新潮社)では、紫式部の怨霊が現れて「真の」源氏物語を語りだす。古典に胸を借りた理由に震災がある。「千年に1度の地震が起きた。だったら千年という時間を体感しようと」。遠い過去との対話を経て、魅力的な現代の物語が一つ、また一つと生まれていく。

 「焼け跡闇市派」を称した野坂昭如さん、海軍体験をもとにした小説で知られた阿川弘之さん、中国歴史小説の第一人者だった陳舜臣さん。戦後を問い続けた才人が今年も世を去った。(海老沢類)

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