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「読んで欲しい一文をあえて書かない」 作家ら「文学の学校」で講義 ゲストの村上春樹さんも創作論披露

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「読んで欲しい一文をあえて書かない」 作家ら「文学の学校」で講義 ゲストの村上春樹さんも創作論披露

参加者が書き上げた短編を読み、アドバイスをする川上未映子さん

 福島県郡山市出身の作家、古川日出男さん(49)が中心となって東日本大震災の被災地で開く「ただようまなびや 文学の学校」が11月28、29日に郡山市であった。「肉声、肉筆、そして本」をテーマに、第一線の作家ら7人が小説や翻訳、批評などの講座を行い、県内外の約200人が参加した。(海老沢類)

                   

 「(震災以降)福島は悲劇によって注目されている。ここでは楽しさだけを与えたい」。3回目となる今年は古川さんのそんな思いに賛同した作家、村上春樹さん(66)のゲスト参加も実現。長いもので3時間に及んだ熱のこもった講座は、被災地で一人一人が「自分の言葉」を発信する手助けをする、というこの無料スクールの原点を強く印象づけた。

 「エモーション・ブースター・プロジェクト」と題した古川さんの講座には、参加者がそれぞれに「悲しい」と感じた記事や小説のコピーを持ち寄った。悲しいとの言葉を使わずにその文章の悲しさをどう表現するか-。そんな課題に挑んだ参加者は自らの感情を見つめ直し「喪失」「人生」「ギャップ」といった言葉を絞り出した。言葉にする以前の感情をじっくり見つめる講座に「自分の言葉」をつかむ手がかりが詰まっていた。

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