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【文学の学校・詳報】村上春樹氏「文章を書く、孤独な作業は『1人カキフライ』によく似ている」、古川日出男氏「見事にカキフライの話をされてしまって…」

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【文学の学校・詳報】
村上春樹氏「文章を書く、孤独な作業は『1人カキフライ』によく似ている」、古川日出男氏「見事にカキフライの話をされてしまって…」

福島県郡山市で開かれた文学イベント「ただようまなびや 文学の学校」=29日

 【レアード・ハント】

 本がこの世界にどういう役割を務めるのか。カフカの言葉ですが、本というのは、私たちの中にある氷った海を、その海の氷を割るものであると。私の想像力の働きというのは、常に本というものに、密接に関わっています。書物よ永遠なれ。

 【古川日出男】

 学校って、想像力というよりも、規範に従う人間を育てるところじゃないですか。◯×があって、◯を採点される人間がえらい。想像力は規範からはみ出ているもの。規範からはみ出ると、人と違うんじゃないかと、思ってしまう。

 もしかしたら、村上さんはそういうお話をされるんじゃないかと思ってましたが、見事にカキフライの話をされてしまって(笑)。その発想が素晴らしいなと。想像力がないと、いけないなと思いました。

 【柴田元幸】

 想像力っていうのは、要するに知らないうちに型にはめられた枠の中でいろいろ考える営みっていうこと?

 【古川】

 想像力は要するに、先入観、ステレオタイプをこわしてくれるもの。

 【柴田】

 本を通して、あるいはこういう場所が、ステレオタイプを超えた能力を起動させてくれるという…。

 【村上】

 子供というのは、想像力は活発ですよね。でも、みんな子供のときの想像力を多かれ、少なかれ、失っていく。というのは、それ以降持っていると、いろいろなことができない。想像力ばかりでいるから。だからなるべく、自然に封印していくと思う。

 でも、大人になって、もう一度(想像力が詰まった自分の中の)「屋根裏」にアクセスすることは可能なんです。例えば、小説家っていうのは、大人として「屋根裏」にアクセスすることなんです。

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