産経ニュース

【文学の学校・詳報】村上春樹氏「文章を書く、孤独な作業は『1人カキフライ』によく似ている」、古川日出男氏「見事にカキフライの話をされてしまって…」

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【文学の学校・詳報】
村上春樹氏「文章を書く、孤独な作業は『1人カキフライ』によく似ている」、古川日出男氏「見事にカキフライの話をされてしまって…」

福島県郡山市で開かれた文学イベント「ただようまなびや 文学の学校」=29日

 カキフライは揚げたてを食べるのはおいしいです。でも、寂しいです。おいしいけど寂しい。寂しいけどおいしいという、永遠に循環していくわけです。

 で、僕は小説を書くときは、だいたい朝4時から5時に起きて、コーヒーをいれて、コンピューターのスイッチを入れて、それから文章を書き始めます。自分の中にある言葉を一つ一つすくいだして、文章にしていくわけです。

 これは孤独な作業です。「1人カキフライ」にすごくよく似てるわけです。小説は、誰に頼まれて書くわけではない。自分が書きたいから書くんです。カキフライだって、自分が食べたいから、誰に頼まれることもなく、自分で揚げるんです。

 ですから、小説を書いているときは、自分の小説を書いているんだとは思わないようにしています。それよりは「今僕は、台所でカキフライを揚げているんだ」と考えるようにしています。そうすると、わりと肩の力がすっと、抜けるんです。

 自分の小説を書いているんだと思うと、言葉が思い付かない。でも、僕はカキフライを揚げていると思うと、肩の力が抜けて想像力が出てくるんです。

 皆さんももし小説をお書きになるようなことがあれば、カキフライのことを思い出してください。そうすると、すらすら書けます。書けなくても、カキのせいではないので、すいません(笑)。

「ライフ」のランキング