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【私のふるさと】柴田理恵さん 三日三晩続く「おわら風の盆」

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【私のふるさと】
柴田理恵さん 三日三晩続く「おわら風の盆」

 富山県は海の幸のイメージがありますが、私が生まれ育ち、高校を卒業するまで過ごした富山市八尾(やつお)町は、飛騨山地に近く、かつては宿場町として栄えた山あいの静かな町です。

 八尾といえば、何と言っても毎年9月1日から三日三晩、唄と踊りを繰り広げる「おわら風の盆」が有名。例年3日間で20万人以上の観光客が訪れるこの伝統行事のために、1年間が回っていると言っても過言ではありません。

 私も小学3年生くらいまでは参加して踊っていたのですが、母の実家が旅館だったので、この時期が一年で最も忙しく、夏休みから本番を迎えるくらいまでは、子供の私もお手伝いをしなければなりませんでした。

 それでも、お客さんの布団を敷き終わったら「行っていいよ」と言われて、観光客がいなくなった後の、町の人たちだけの踊りには参加。三味線と胡弓(こきゅう)を弾く人たちがゆったりと歩くのについていくだけでしたが、これが子供の頃の一番の楽しみでしたね。

 冬にはものすごく雪が降ります。昔は3メートルくらい積もって家には2階から出入りしていたほど。毎朝5時くらいに起きて雪かきをして、それから学校に通い、帰宅してからも雪かきという日々でした。坂の町なので、ゲレンデに行かなくても道でスキーができたんですよ。

 夏になると思い出すのはホタルですね。町に流れる農業用水に、まるでクリスマス用のイルミネーションのようにホタルがワーッと集まってくる。小さい欄干もない石橋に座ってそれをボーッと眺めていると光に包まれて、心霊体験をしているような気分になりました。

 今年の春に北陸新幹線が開業して、日帰りできるほど便利になりましたが、将来的にはまたふるさとに戻って生活したいと思っています。秋から冬にかけてのしっとりとした空気はやっぱり全然違う。日本海側のあの何とも言えないさわやかな空気が今でも私は大好きです。

                  ◇

【プロフィル】柴田理恵

 しばた・りえ 昭和34年生まれ。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、現在はWAHAHA本舗に所属する女優でタレント。来年5月には約3年ぶりとなるWAHAHA本舗全体公演「ラスト2~NEW HOPE 新たなる希望~」を上演する。

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