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【くらしナビ】「白みそ」 日本の食もっとおいしく

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「白みそ」 日本の食もっとおいしく

グランディール御池店の新商品「京都 西京味噌ピッツア」=京都市中京区

 ■うまみと甘み、味に奥行き/乳製品に混ぜてコク出しも

 朝晩の冷え込みが厳しくなると、アツアツのみそ汁が一段とおいしく感じる。その調味料の一つである白みそが、おいしさを引き出す要の食材として、和食以外の分野でも積極的に使われ始めている。まろやかな甘みと淡い色合いを特徴とする白みそが、新たな味の世界を切り開こうとしているようだ。(武田範夫)

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 京都市役所脇にあるベーカリー「グランディール御池店」(京都市中京区)は、パン激戦区の京都市でも人気店の一つだ。そんな同店が今月から売り出した新商品に「京都 西京味噌ピッツア」がある。その名が示すように白みその代表格として、京都人に支持されてきた「西京味噌」を用いたピザ風のパンだ。食べてみると、みそが絶妙な効果を生んでいるのか、何ともやみつきになりそうな味がする。

 これを作り出した仁木裕店長は「白みそは本来、丸みがある味だが、どうしても他の味に負けて風味をうまく引き出せない。そこでパン生地に一度白みそを塗って野菜などを乗せ、さらにこの上から白みそとマヨネーズをブレンドしたソースを塗って焼き上げ、やっと満足のいく味に到達した」と話す。

 この新商品に用いたのが、創業約200年の老舗みそメーカー、西京味噌(同上京区)の主力商品の一つ「西京白みそ」だ。そもそもみそは、米みそ、豆みそ、麦みその3種類に大別され、白みそは米みそに属する。このうち京都で育まれてきた白みそが本来の「西京味噌」だが、今では白みその総称のように受け取られている。それだけ味を引き立てる効果に優れた食材として広く知られ、名前が全国に広がったのだろう。人気ベーカリーが“地元の本物”にこだわったのも、質を重視してのことだろう。

 ◆多様な食材とマッチ

 こうした実績が示すように、白みそは食材として大きな可能性を秘める。その理由はヘルシーであるうえに、いろいろな食べ物とマッチし、おいしい味を醸し出してくれる優れた特性があるためだ。西京味噌の本田純也専務は「当社が製造する白みその塩分量は、通常の赤みそが12、13%なのに対し、5%前後と低い」と強調。これに加え「例えば乳製品やクリーム系の食べ物に混ぜるとコクが出るために隠し味として最適」と説明する。

 京都在住の料理研究家、大原千鶴さんも家庭料理への白みその積極活用を勧める一人だ。「白みそにはうまみと甘みがあるので昆布だしだけに比べ、味に奥行きが出る。使い方も簡単で、この便利さをもっと知ってほしい」と話す。

 大原さんが勧めるレシピの一つに「白みそシチュー」がある。ポイントは、特製の「西京味噌ホワイトソース」を加えることだが、実はこのソースは、白みそに豆乳をからめるだけと作り方が極めて簡単。こうした魔法のような力が、多くの料理へと活躍の幅を広げているのだろう。

 ◆海外市場開拓も視野

 メーカーの西京味噌もこうした動きを受けて、西京漬けに代表される白みそを使った加工食品の充実や海外市場の開拓といった攻めの販売戦略を打ち出している。ただ、本田専務は「最近はいろいろな白みそが出回っており、本来の京都発祥の白みそである『西京味噌』のおいしさを知ってもらうことも重要なテーマ」と明かす。京都が守り続けた伝統のみそが、世界的に定評がある日本の“食”を一段とおいしくすることは間違いないようだ。

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