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【三島由紀夫没後45年(上)】決起した元会員、貫く沈黙 肩の刀傷…今も悔いなく

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【三島由紀夫没後45年(上)】
決起した元会員、貫く沈黙 肩の刀傷…今も悔いなく

自衛隊員の野次に遮られて演説を中断した三島由紀夫は、森田必勝(向かって右)と天皇陛下万歳を叫美、その後、自決した(三島森田事務所提供)

 日本を代表する作家、三島由紀夫=当時(45)=が、自ら結成した民間防衛組織「楯の会」の会員4人と陸上自衛隊市ケ谷駐屯地に乗り込み、会員1人と自決した事件から、25日で45年になる。何が三島らを暴挙とも思える行為に駆り立てたのか。憲法改正問題などが注目されるようになった今、三島と寝食を共にした楯の会の元会員の証言などから、改めて事件の背景と現代日本へのメッセージを考える。(編集委員 宮本雅史)

 無意識のうちに身体に染みついてしまったのだろうか。その男性は話題が事件に触れようとする度、何かを確認するように右肩に手をそえた。理由を問うと、一瞬、驚いた表情をしたが、何も答えず、すぐに笑顔に戻った。古賀(現荒地)浩靖(68)。三島と共に決起、自決した三島と森田必勝(まさかつ)=当時(25)=を介錯した。

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 関係者から、陸上自衛隊市ケ谷駐屯地内の東部方面総監室で自衛隊員ともみあった際、三島の日本刀が右肩に当たり、5針を縫う傷を負ったと聞いていた。古賀にとって刀傷は身体に刻みこまれた三島の形見なのかもしれない-。ふと、そんな思いが頭をよぎった。

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