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【新国立競技場】
見えぬ後利用 陸上、ラグビー、コンサートもできず…
2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場として整備される新国立競技場。東京都は五輪をきっかけに、周辺を“スポーツの聖地”となるよう再整備する方針だ。平成37年度までには神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えを含め、計3つの大規模施設ができる見通しだが、周辺にスポーツ施設ができればできるほど、工費削減を目的にスポーツに特化した施設となった新国立の利用価値が下がるという“皮肉”な結果となる。
都が4月、明治神宮や日本スポーツ振興センター(JSC)、民間企業などと交わした覚書などによると、整備の対象は新国立競技場南側の17ヘクタール。構想では東京五輪までに老朽化した現在のラグビー場を解体。大会中は駐車場などとして利用し、大会後の34年度末までに明治神宮が新球場を建てる。その後、現在の神宮球場を取り壊し、JSCが新ラグビー場を建設するという。テニスコートや室内野球場などを集約したスポーツ複合施設、民間オフィス・商業施設が入居する高層ビルも建てる計画だ。