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“歯ぐき臭”口腔ケアで防ごう

セミナーで歯周病の臭いのサンプルを体感する女性(左) =5日、東京都渋谷区

 ■歯肉の炎症原因 フロスやガムも有効

 自分ではなかなか気づかない口臭。主な原因は歯肉炎やそれがさらに進んだ歯周炎など歯ぐきの炎症(歯周病)で、実は“歯ぐき臭”であることが多いという。最近は「スメルハラスメント」(スメハラ=臭いによる嫌がらせ)もよく耳にする。しっかりとした口臭ケアを心がけたい。(牛田久美)

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 「わ、やだ、電車やエレベーター内で嗅いだことがある」。歯周病の臭いの見本の小瓶を鼻に近づけると、参加者は顔をしかめた。

 5日、東京都渋谷区で開かれた歯周病(ペリオ)予防の「グッバイペリオ」セミナー。接客機会が多い営業職の女性会社員ら10人が、歯科衛生士の後藤梨絵さん(31)の説明に聞き入った。

 「健康な歯ぐきは、前歯の歯ぐきを見ると、三角形にキュッと締まっている。赤くふくらんでいたら歯肉の炎症。鏡を見て確認しよう」

 後藤さんは、歯肉炎が進行して歯が抜け落ちた症例写真を紹介。「白い歯垢の1ミリ四方に1億個以上の細菌がいる。歯ブラシでとれるのは全体の58%。フロス(歯間掃除用の糸)で歯と歯ぐきの間をきれいにしよう」と呼びかけた。

 フロスは、歯ぐきに2~3ミリ食い込ませて歯をこするように動かすのがコツ。「水分で膨らむフロスは柔らかくて痛くない。幅も出て接触面が広がり、歯全体がきれいになる」という。

 ◆40歳の3割に“臭い”

 大阪大学歯学部長の天野敦雄教授によると口臭の主な原因は、舌が汚れて細菌が繁殖▽歯周病で歯ぐきから鼻を突く臭い▽糖尿病などの全身疾患-の3つ。小さな袋に息を吹き入れ、嗅ぐことで確認できる。

 厚生労働省の平成23年の歯科疾患実態調査によると、40歳前後の約3割、60歳前後は約4割が症状の軽い歯周炎で何らかの臭いがする。重い歯周炎は60歳前後で1割に達し、「10人に1人は結構な臭い」(天野教授)という。

 予防には、歯周病を招きやすい生活習慣をチェックし改める。例えば食べるとき音がするのは口を閉じていないため。口が開いていると口腔内が乾燥し、菌が繁殖しやすい。

 天野教授のお勧めは耳の下や顎の下を押す唾液腺マッサージ。「口の老化は唾液の減少から始まる。たまった唾液を押しだそう。腕立て伏せと同じで唾液腺も鍛えることが大切」

 唾液が出るよう、ガムをかむのも効果的という。最近は、阪大大学院の試験でユーカリ抽出成分に歯周病予防の効果が確認され、この成分を配合した特定保健用食品のガムも市販されている。

 一方、臭くないのに、そう思い込む自臭症患者も多く、正しい診断が大切という。

 ◆健康な口で毎日楽しく

 福利厚生に力を入れる企業では社員の口腔ケアに乗り出す動きも。通販化粧品会社「ランクアップ」(東京都中央区)は社員43人中41人が女性。積極的な子育て支援や社員からの改善提案の反映などに取り組み、とくに提案の採否にかかわらず報奨金500円を払う制度が特徴だ。社員から口腔ケア対策の提案を受け、ガムや歯磨き用綿棒を全社員に配っている。近く社内で歯周病予防セミナーも開く。

 天野教授は「以前は世間が臭いに寛容だったが、清潔好きな人が増えた。臭いは職場でも家庭でもその人の社会性をおとしめるから注意してほしい。口が健康だと毎日が楽しい」と語り、半年に一度の定期検診を呼びかけている。

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