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【書評】文芸評論家、水口義朗が読む『マスコミ漂流記』野坂昭如著

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【書評】
文芸評論家、水口義朗が読む『マスコミ漂流記』野坂昭如著

『マスコミ漂流記』野坂昭如著(幻戯書房・2800円+税)

 三木鶏郎という、敗戦後のラジオ放送からテレビ開始までの冗談音楽、コマーシャルソング、トリローサンドイッチ、放送歌謡などすべてに道をつけた才人がいた。

 三木学校の優等生が永六輔で、本書は、永六輔が目の上のタンコブで、何をやっても先を越され、コンプレックスのかたまりの著者が、どこで差をつければいいかと、七転八倒し、活字の世界へ必死の思いで這(は)い上る告白の書でもある。38歳までの漂流譚(たん)。

 本書の版元幻戯書房は『21世紀断層 野坂昭如単行本未収録小説集成』(全5巻+補巻)を出している。中学時代に野坂に魅入られた村上玄一という研究者の大仕事だ。(幻戯書房・2800円+税)

 

  

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