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妊婦健診の公費負担 地域差10万円超、行政課題に

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妊婦健診の公費負担 地域差10万円超、行政課題に

妊婦健診で超音波検査を受ける女性。超音波検査は国が奨励する標準的な検査項目の一つだ (写真は本文と関係ありません)

 自治体が公費で費用を支援している妊婦健診。少子化対策として、国が助成しているが、市区町村ごとに支給額は異なる。支給額の差は最大で10万円を超え、公平性が問われている。(平沢裕子)

1人当たり12万円

 妊婦健診は、妊娠判明後1~4週間ごとに体重や血圧の測定、尿検査などを行い、胎児の状態を確認する。出産に関する費用は健康保険の適用ではないため、健診費は自由診療。本来は1回当たり5千円から1万数千円かかる。

 国は安全な出産のため計14回程度の受診を奨励しており、妊婦1人当たり約12万円を、地方交付税交付金として自治体に出している。だが、地方交付税の用途は自治体の裁量に任されるため、支給される金額は、市区町村によってまちまちなのが現状だ。

 厚生労働省の昨年4月の調査によると、妊婦1人当たりに支給された健診費の全国平均は9万8834円。最高が北海道初山別村と長野県南牧村の15万円だったのに対し、最低は北海道釧路市と釧路町の4万5千円。10万円以上の差が生じた。この格差を解消しようと、厚労省は6月、市区町村に妊婦健診の費用を十分に負担するよう求める通知を出した。

 格差の原因にはさまざまな理由がある。そもそもが自由診療のため、健診の費用自体が地域によってバラツキがある。平均より少ない金額でも十分な健診ができる地域もあれば、財政難で妊婦健診に費用を充てられない自治体もある。

 横浜市は母子手帳とともに14枚の「妊婦健診補助券」を配布している。4700円が11枚、7千円が1枚、1万2千円が2枚の合計8万2700円で、「医師会と調整して、この額にした」(親子保健係)。

 12月に出産予定の横浜市の女性(28)は10月下旬、健診に訪れた病院で4700円の補助券1枚を使い、3千円分を自己負担した。女性は「出産前は何かと物いりなので補助券はありがたいが、本当は全額補助してもらえるとうれしい」と話す。

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