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【話の肖像画】作家・椎名誠(2)ライバルは大新聞の書評欄

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【話の肖像画】
作家・椎名誠(2)ライバルは大新聞の書評欄

サラリーマン時代をドラマ化した番組の制作発表=昭和63年

 〈作家になる前は流通関係の業界誌にいた。20代で編集長になり、やがて取締役に抜擢(ばってき)。次期社長の声まで上がったが…〉

 仕事は面白かった。熱中してましたね。新しい雑誌をつくりたい、と原稿用紙100枚もの企画書を書いて社長に出したら、通っちゃって、部下も権限も与えられました。ちょうどスーパーの勃興期で、ダイエーの中内功さんや西武の堤清二さんら大物にもどんどん会いにいってインタビューさせてもらったんです。それをボクが書いてトップ記事に据える。当時そんな業界誌はなかったんですよ。この世界では、広告と記事をバーターするような営業をやる人もいたんだけど、ボクは一切それをやらなかった。次第に業界内で真剣に読んでくれる人が増えて、広告出稿も順調に伸びていったんです。ただやっぱり「狭い世界」の鬱屈があるんですね、業界誌というのは。それにボクの悪いクセで大体10年たつと飽きちゃう。

 〈業界誌のサラリーマンをやりながら、元部下だった目黒考二(エッセイスト、評論家)らと昭和51年『本の雑誌』を創刊。既存の書籍や雑誌をユニークな文章でバッサバッサと斬りまくった。500部からスタートした雑誌は倍々ゲームで伸びてゆく〉

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