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【「近代日本」を診る 思想家の言葉】三木清 悲哀の時代に「古典」を精読

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【「近代日本」を診る 思想家の言葉】
三木清 悲哀の時代に「古典」を精読

哲学者・三木清

知るための3冊

 ▼『パスカルにおける人間の研究』(岩波文庫)一見読みやすい入門書『人生論ノート』より、このデビュー作を挙げておく。パリの片隅で静かに思索にふける哲学者の凄味(すごみ)に、学生時代の筆者は打ちのめされた。

 ▼『三木清全集』(岩波書店)古書店の店先で1冊バラ売り100円、全巻揃いでも数千円で並ぶ三木全集を当たり前のように見かけると、酒宴の席を一回辞して買ってほしいと思ってしまう。

 ▼今井弘道『三木清と丸山真男の間』(風行社)三木清にかかわる少し専門性の高い本をあげておこう。なかでも、戦前の丸山真男と京都学派それぞれの思想の特徴を分析・布置した所収論文は、掛け値無しに優れている。

【プロフィル】三木清

 みき・きよし 明治30(1897)年、兵庫県に生まれる。京都帝大哲学科で西田幾多郎らに学び、欧州に留学してハイデッガーらに師事。帰国後は法政大教授となり、『人生論ノート』など多数の著作を発表。京都学派の代表的存在として活躍するが、戦争末期に検挙され、終戦直後の昭和20年9月に獄死した。

【プロフィル】先崎彰容

 せんざき・あきなか 昭和50年、東京都生まれ。東大文学部卒業、東北大大学院文学研究科日本思想史専攻博士課程単位取得修了。専門は近代日本思想史。著書に『ナショナリズムの復権』など。

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