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【手帖】『ヒョウタン文化誌 人類とともに一万年』湯浅浩史著

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【手帖】
『ヒョウタン文化誌 人類とともに一万年』湯浅浩史著

『ヒョウタン文化誌 人類とともに一万年』湯浅浩史著

 丸くくびれた形が楽しいヒョウタンは、意外に奥深い文化を持つ。軽い上に中が空洞なので水入れに最適で、土器に先立ち1万年以上前から使われている。種子の系統や呼び名をたどると、人類の移動の歴史も追跡できる。食器、装身品、茶道具、仮面、楽器など多彩な用途があり、民族性あふれる細工もさまざまだ。ユウガオも仲間で、実を干したものがカンピョウ。果実の形ではなく、夕方から咲き始める花に基づく名前は、花に関心が深い日本ならではだ。

 植物学者の湯浅氏は、中学生のころ志賀直哉の小説「清兵衛と瓢箪(ひょうたん)」を読んでヒョウタンに興味を持った。約40年前、南米ギアナ高地で入手したものが最初のコレクション。東京・上野の国立科学博物館で開催中(12月6日まで)の「世界のヒョウタン展」では、湯浅氏が集めた世界70カ国、1600点のヒョウタン用具から、60カ国、約500点が展示されている。(岩波新書・760円+税)

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