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【論壇時評】11月号 高原の里を蝕む太陽光発電 論説委員・井伊重之

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【論壇時評】
11月号 高原の里を蝕む太陽光発電 論説委員・井伊重之

 太陽光を中心に再生可能エネルギーの導入が進んでいる。福島第1原発事故を受け、全国の原発が相次いで運転停止する中で、環境負荷が小さな代替電源として期待されているからだ。事故当時の菅直人政権は、再生エネによる電力を決められた価格で電力会社が買い取る制度(FIT)を創設し、その普及を後押しした。

 再生エネの中でも急速な伸びをみせているのが太陽光発電だ。FITが実際に始まってから3年を経た今年6月末時点で、住宅用と非住宅用を合わせた導入容量は2千万キロワットを突破した。他の再生エネは、風力が35万キロワット、バイオマスで32万キロワットなどとなっており、太陽光が突出している。

 FITの買い取り費用は電気代に上乗せされ、最終的には消費者が電気代として支払う。とくに太陽光の買い取り価格は高値で優遇されたため、太陽光への参入が集中した。今年度の買い取り費用の総額は約1兆3千億円に達し、標準的な家庭で年5700円を負担する。

 原発停止に伴う火力発電のフル稼働によって、日本の電気代は全国平均で震災前よりも家庭用で25%、企業用では4割近く値上がりしている。これは主に原油や液化天然ガス(LNG)など、火力発電向けの燃料費が円安も加わって急増したためだ。

 だが、経済産業省の試算によると、FITによる国民負担額は今後、さらに拡大して4兆円に迫る可能性があるという。太陽光の導入促進で国民負担はこれからも膨張するため、たとえ原発の再稼働が進んで燃料費が低下しても、電気代の値下がりはあまり期待できない構造にある。

 その太陽光発電のもう一つの問題点について、ジャーナリストの山田直樹が「あの清里が太陽光発電でメチャクチャ」(WiLL)で現地をルポしている。

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