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【近ごろ都に流行るもの】「昭和おとめチック」陸奥A子 “かわゆい”世界に若者も共感

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【近ごろ都に流行るもの】
「昭和おとめチック」陸奥A子 “かわゆい”世界に若者も共感

陸奥A子の原画展を企画した外舘恵子さんも、母親の影響を受けてファンになった世代=東京都文京区の弥生美術館

 絵もストーリーもひたすらかわいい「昭和おとめチック」と呼ばれる文化が改めて評価されている。昭和50年代を中心に「りぼん」(集英社)で活躍し、その分野の頂点とされる漫画家、陸奥A子の初の原画展が始まり、作品集や解説本も出版された。メガネ男子、アイビーファッション、ペアルック…。描かれたアイテムは最近の流行と重なる点も多く、ほのぼのとしていながらもオシャレでノーブル。若い世代も新鮮な憧れと普遍的魅力を感じ取っている。 (重松明子)

 「陸奥A子×少女ふろく」展が開催中(12月25日まで)の文京区、弥生美術館。230点の手書き原画のほとんどが初公開という。さまざまな物語にスラリと背の高いメガネ男子が登場。「スポ根漫画が幅をきかせていた時代に星空や文芸を愛する青年像を描き、さらに冷たいキャラクターに使われていたメガネをやさしくカッコよく描いたのは画期的だった。男子にも好感され、昭和50年ごろには東大や早大でおとめチック漫画の研究会が誕生しました」と、同展を企画した外舘恵子学芸員(31)。

 主人公は内気でドジだけど実は芯のある等身大の女子高校生。ラブストーリーながらもキスシーンなどはなく、男子が女子の頭を手でポン!とする程度の草食ぶり。顔を赤らめる表情が実に初々しい。

 「メルヘンのような世界で、小学生の頃の淡い憧れがよみがえる。現代の生々しいドロドロした漫画は苦手」とは千葉県から来場した篠崎満理佳さん(26)。近所の喫茶店や散歩道、草花など日常のお気に入りに幸せを見つける視点には、東日本大震災で「普通の暮らしの幸福」に目覚めた心が共鳴する。同館の原画展には普段より多い平日平均100人、休日にはその倍が訪れている。

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