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【ローカル局だより】落語の魅力にとりつかれた茨城放送元アナ 「有難亭良慈緒」こと鹿原徳夫さん(46)

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【ローカル局だより】
落語の魅力にとりつかれた茨城放送元アナ 「有難亭良慈緒」こと鹿原徳夫さん(46)

オレンジ色の着物に身を包み、落語を演じる鹿原徳夫さん=茨城県水戸市の茨城放送(海老原由紀撮影)

 感じた壁

 念願のアナウンサーになったものの、仕事の「壁」を感じる時期もあった。

 入社して間もない頃だ。先輩から、「殻に籠もっている」といわれた。研修時には、「聞きやすいけれども、どんなニュースだったのか記憶に残らない」と、指摘もされた。

 「そう言われても、何をどう直せばよいのか分からない。こういう風に話すのがアナウンサーだと、自分の中で無意識につくっていたのかもしれない」と、鹿原さんは振り返る。

 そんな「壁」も、仕事をこなしていくうちに、いつの間にか取り払われていった。そして、次第にリスナーが「何をしゃべるんだろう」と期待してもらえるように、自分が感じた言葉を加えて報じるアナウンサーに成長していった。

 落語との出合い

 「ラジオは言葉だけの世界。話の組み立てや進め方は、落語が基本になると思った。本物の落語を学びたかった」

 そう語る鹿原さんに、いつしかチャンスが訪れる。

 自分の番組「カビーとクラッチのどうよ」で、全市町村を五十音順に巡るコーナーがあり、稲敷市江戸崎にある施設「えどさき笑遊館」を取材。セミプロの落語家、鶯春亭(おうしゅんてい)梅八(本名・木村悟)さんとの出会いが、きっかけになった。

 梅八さんを通じ、落語界の大御所、三遊亭圓窓(えんそう)さんを師匠とするアマチュア落語家一門「有難亭(ありがてい)」が立ち上がり、その一員になる。「有難亭良慈緒(らじお)」の名前を与えられ、21年から落語を始めた。

 落語は古典芸能ではあるが、話の流れさえつくれば、アレンジして自由に演じてもいいという。初めは緊張したが、自分の落語を聞いた人たちが、笑ったり感心したりする反応を直接知ることができる。そのことに、魅力を感じた。

 アナウンサーとしての基礎を落語に求め、その願いをようやくかなえたものの、23年10月、報道制作部に異動になる。

 しかし、「ものを伝えることに変わりはない」。アナウンサーになりたいと思った原点は、高校生のときに実感した「伝える楽しさ」だ。現状を伝えるという点では、報道もアナウンサーも同じだと考えている。

 記者を経て2年後に営業担当になったが、高校野球県大会の実況中継や、リポートをする機会も与えられた。東日本豪雨による鬼怒川の堤防決壊が起こった9月10日には、本社からの指示で現地に向かい、常総市の状況を報じた。

 10月からは、報道防災センターに異動になった。何かが起こったり注目を集めたりした場所に足を運び、その様子を伝えていきたいという。

(水戸支局 海老原由紀)

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