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【正論】大学の外国語教育のあるべき姿 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

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【正論】
大学の外国語教育のあるべき姿 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

 本年6月8日付で文部科学相が唯一片の「通知」を以て、国立大学の人文社会系学部の、廃止を含む改組を求めた、との報道は大きな波紋を呼んだ。学界からは学術会議が7月23日に、経済界からは経団連が9月9日に、何れも適切な反論を提出され、社会一般でも本紙紙面に見た如く、言論人諸氏のよく考へ抜かれた批判論文の掲載が相次いだ。結果としてあれは文科省の文章表現の不備に責任があつた、といふことで今回の紛糾は終熄(しゅうそく)する氣配(けはい)である。

 《誤解として笑えぬ文系軽視》

 然(しか)し文科省の抱懐してゐる文系学部軽視の傾向は今夏俄に生じた事ではなく、諸大学の現場の教員達は一昨年頃から事ある毎にこの意向が露骨になるのを感じてゐた折から、6月の高飛車な「通知」に接して、遂に来るべきものが来たとの、誤解として笑つて済ますわけにもゆかない衝撃を受けたのが実際の状況だつた様である。

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