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【温故地震】元慶の関東地震(878年)都司嘉宣 

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【温故地震】
元慶の関東地震(878年)都司嘉宣 

奈良県・薬師寺の薬師三尊像(同寺提供)

 座った仏像を壊した強い揺れ

 平安時代初期の元慶(がんぎょう)2(878)年9月29日夜、関東地方を強い地震が襲った。京都の朝廷の命令で編纂(へんさん)された当時の歴史書「日本三代実録」には、こう記されている。

 「9月29日夜、京都で地震を感じた。この日、関東地方で大きな地震があり、特に相模国と武蔵国で揺れが激しかった」

 相模国と武蔵国は、現在の東京都、神奈川県、埼玉県を合わせた範囲に相当する。その被害については「官庁も民家も無事な建物は一つもなかった。余震が5、6日続き、圧死者は数え切れないほどだった」などと記されている。

 実録は、こんな被害も書き留めている。「相模国の国分寺にあった金色の薬師丈六(じょうろく)像と、脇侍(わきじ)の菩薩像2体が地震の揺れで完全に破壊されてしまった」

 相模国の国分寺は神奈川県海老名市にあった。「丈六」は背の高さが一丈六尺(4・8メートル)の仏像のこと。これは立像の場合で、座像なら半分の高さ2・4メートルになる。

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