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【美の扉】国立新美術館「ニキ・ド・サンファル展」

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【美の扉】
国立新美術館「ニキ・ド・サンファル展」

「泉のナナ」1971年/1992年(林雅之撮影)Yoko増田静江コレクション ?2015 NCAF,All rights reserved.

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 展覧会場に並ぶカラフルな女性像。コロコロとしていて愛らしい。楽しそうに踊っているようだ。

 戦後美術を代表するフランスの世界的な画家で彫刻家のニキ・ド・サンファルの大規模な回顧展が東京の国立新美術館で開催されている。明快な色彩で着色された動きがある有機的な形態は、個性が際立つ。一目でニキの作品と分かるオリジナリティーを有している。

 現代美術に大きな影響を与えたニキは、正統な美術教育を受けていなかった。ファッション誌『ヴォーグ』の表紙を飾るモデルとしてニューヨークで活動していたが、18歳で結婚し、2年後には長女が誕生。その後、フランスに渡りパリで演劇学校に通っていた。が、重度の精神疾患で、南フランスの病院に6週間入院してしまう。絵をはじめたのも治療のためだった。

 当初は陶片などを使ったコラージュや絵の具を一面にたらし込んだ抽象作品を制作していたが、ニキの名を有名にしたのは1961年に発表した「射撃絵画」だった。絵の具を入れた缶や袋を石膏(せっこう)で画面に定着させ、離れた場所から絵画に向けて鉄砲を撃つという奇抜なもので、当時の欧米の美術界に衝撃を与えた。当初は抽象的な画面だったが、次第に、聖堂や怪獣といった形を表現し、いくつもの弾丸で画面を撃ち抜いた。道徳からの解放、戦争や暴力への批判を込めた。

 「射撃絵画」は2年半で終止符を打った。フェミニズムの立場から女性の解放を求めたシモーヌ・ド・ボーボワールの『第二の性』に影響を受けていたニキの主題は、女性に移行。清らかな聖母からおどろおどろしい魔女までさまざまな女性をモチーフにし、65年には妊娠した友人の身体からインスピレーションを受け、豊満な姿の「ナナ」を発表。これがニキの代表作となった。

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