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誰も見に行くことのできない展覧会 東京でサテライト展示

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誰も見に行くことのできない展覧会 東京でサテライト展示

「Don’t Follow the Wind」展の鑑賞券。将来、帰宅困難区域の封鎖が解除される「そのとき」を待つ

 誰も見に行くことのできない展覧会が、今年の3月11日から開かれている。

 福島県の帰還困難区域内で開催中の「Don’t Follow the Wind(DFW)」展。アーティスト集団のChim↑Pom(チンポム)、中国人アーティストのアイ・ウェイウェイ、宮永愛子ら国内外12組の作品が、区域内のある場所で展示されているという。けれどもそこは、東日本大震災による原発事故に伴い、放射性物質に汚染された地だ。いつ立ち入り制限が解除され、一般公開されるのか。会期は未定のまま展覧会は延々と続くかもしれない。

 同展の存在を広く知らせるためのサテライト展示「Non-Visitor Center展(非・案内所)」がいま、東京都渋谷区のワタリウム美術館で開かれている。DFWに関連した各作家の作品、資料、映画監督の園子温による映像インスタレーションなどが展示されている。

 会場に設置されたモニターには、帰還困難区域内に設置されたカメラにより「いま」が映し出されていた。街や道路には当然、人の気配がない。避難を強いられた約2万4000人の住民はもちろん、「そこにあるのに行けない」不条理を、かみしめずにはいられない。行けない展覧会について、おのおのが想像し考える。それがこの展覧会の最大の目的なのだろう。

 サテライト展は18日まで、月曜休。大人1000円。問い合わせは(電)03・3402・3001。

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