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【話の肖像画】美術家・横尾忠則(5)「Y字路」の謎を追って

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【話の肖像画】
美術家・横尾忠則(5)「Y字路」の謎を追って

 〈代表的連作「Y字路」はミレニアムの節目にあたる2000(平成12)年から始まった。郷里の兵庫・西脇に始まり、さまざまなY字路、つまり三差路を変幻自在に描いた一大シリーズだ。これまでの全150点余りを年代順に編んだ画集「全Y字路」(岩波書店)がこのほど刊行された。うち近作を集めた「続・Y字路」展も現在、横尾忠則現代美術館(神戸市)で開かれている〉

 もう15年、Y字路を描いてきました。いつやめるのかなと思いながらも、まだしばらく続きそうです。本当は僕、固定した様式を持つのはあまり好きじゃないんですよ。だけどY字路の場合はいろんな様式を試す場でもあり、いろんなストーリーを持ち込むことができる。

 〈Y字路という大きな1つの柱があって、融通無碍(むげ)にバリエーションが増殖、拡大してゆくイメージだろうか〉

 完成した画集を見て気付いたんですが、よく似たスタイルや表現が少し続いたかと思うと、急にゴロッと変わっている。今後Y字路がどんなふうに変わってゆくのか、僕自身、興味が出てきたところです。とはいえY字路ばかり描いているわけではなく、全く異なる複数の主題と様式の作品を、同時並行で描いてるんですよ。いまアトリエで描いているのは、近々ニューヨークで行う個展に向けた作品です。

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