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【美の扉】「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才

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【美の扉】
「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才

林●(=もんがまえに良)苑「寒蘭図」 個人蔵

 一方の武禅(1734~1806年)は、美人画に秀でた浮世絵師、月岡雪鼎(せってい)に学んだ。山水画を得意にし、とりわけ仙人が住むといわれる中国の神山「蓬莱山」を数多く描いた。展示作の「蓬莱山図」は、山から滝が流れ落ち、蓬莱山を象徴する鶴や亀を配し、いかにも中国風だ。

 武禅は大坂の土佐堀川の近くで暮らし、一説には船頭をしていたともいわれている。中国の港湾都市をモチーフにした「明州図」など、舟が浮かぶ穏やかな海辺を描いた作品があり、船頭をしていたかは別として水辺の風景が好きだったようだ。

 2人はほぼ同時代に活動。作品に中国趣味が見てとれるが、現地に行ったわけではない。さまざまな作例や想像を駆使して創作した。中国に由来する画題を好んだことから「唐画師(からえし)」と呼ばれた。本展では2人の作品各50点と、彼らに関係のあった絵師の作品を一堂に集めて紹介。

 「●苑と武禅は知る人ぞ知る絵師。確かなテクニックと個性的な画風で人気を博し活躍していた。当時の大坂画壇には、ほかにも多くの優れた絵師がいる。本展を契機にさらに研究が進んでいけば」と、同美術館の松岡まり江学芸員は話す。

 本展には、武禅の仲間の月岡雪斎の遊女をしなやかに表現した「浮世人物図」、●苑の友でカエルの絵で名をはせた松本奉時(ほうじ)の「蝦蟇図」など個性豊かな作品が並び、大坂画壇の多彩さを気付かせてくれる。(渋沢和彦)

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