産経ニュース

【美の扉】「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【美の扉】
「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才

林●(=もんがまえに良)苑「寒蘭図」 個人蔵

 大胆で鮮烈。その名は林●苑(ろうえん)と墨江武禅(すみのえぶぜん)。聞き慣れない名の絵師だが、作品のインパクトは強い。江戸時代、江戸や京都とともに三都といわれた大坂には大坂画壇があり、町人に支えられ、形式にとらわれない自由な発想の作品が誕生した。大坂画壇が生んだ2人の知られざる絵師の作品を中心に紹介する展覧会「唐画(からえ)もん」がいま、千葉市美術館で開かれている。

 展示の中でとりわけ印象的なのが●苑の「芭蕉九官鳥図」だ。中国原産の芭蕉の大きな緑の葉と岩の上に止まる九官鳥を描写。地面では福寿草が咲き、芭蕉の花の赤が鮮やかで際立つ。大胆な構図とセンスのいい色彩は、モダンで現代絵画のようだ。こんな絵師がまだいたのかと、驚かされる。

 鉢植えの蘭を題材にした「寒蘭図」も目を引く。蘭の白い花としなやかに伸びた葉が繊細なタッチで描出。鉢の中には青や茶など色とりどりの小石がびっしりと敷き詰められ、コケの緑と対照的。鉢の表面には中国風の菊のくねった意匠が見られる。実際の蘭を描いたように見えるが、鉢植えの蘭図は、17世紀の朝鮮絵画に作例があることから、そうした絵を参考に描かれたと推測されている。

 ●苑(生没年不詳)は、道頓堀川近くで暮らし、1770~80年頃に活動した。文人画の大成者、池大雅の弟子で人物図の名手といわれた福原五岳(ごがく)に学び、中国の明・清時代の絵画や日本の古画を熱心に研究。華麗な花鳥図のほか、中国の宮廷世界を主題にした風俗画を数多く残した。

このニュースの写真

  • 「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才
  • 「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才
  • 「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才

「ライフ」のランキング