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【書評倶楽部】資生堂名誉会長・福原義春 『JTのM&A』新貝康司著

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【書評倶楽部】
資生堂名誉会長・福原義春 『JTのM&A』新貝康司著

福原義春・資生堂名誉会長

 □『JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書』

 ■日本企業が世界企業に飛躍する教科書

 正直に言って、英字ばかりのタイトルを前にして、少したじろいだ。たばこのような特別な業界の話が他でも役立つのかと怪しんだところもあった。でも読み進めるうち、この本は当初の期待をはるかに超えるものだと思うようになった。

 グローバル経済をもてはやす時代になって、その波にどう乗れるかを考えるのは当然のことである。1985年に専売制が廃止されることになって、JTは従来の国内市場に頼るのはどうかと分析し、世界市場を相手に乗り出す。しかも、海外の市場を担当する子会社もスイスに置くことにする。人材の多様化に最も適しているからである。

 JTの前身の専売公社は、戦後間もない1952年に世界的デザイナー、レイモンド・ローウィにピースのデザインを頼み、150万円(現在の価値で1億円)を払い世の中を驚かせたが、そういう大胆な決断ができるDNAが伝わっていたのだろう。こうして、ついに2兆円を超える大型買収によって、海外子会社の売り上げ・利益は親会社を超え、グループで世界の業界3位に成長する。

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