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三島由紀夫の意外な「エンタメ小説」ブレーク

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三島由紀夫の意外な「エンタメ小説」ブレーク

三島由紀夫著『命売ります』(ちくま文庫、680円+税)

 今年生誕90年を迎えた作家、三島由紀夫の知る人ぞ知る小説が急激に売れ、話題を呼んでいる。意外なブレークに、芥川龍之介や太宰治ら文豪作品の面白さを説き続ける「読書芸人」又吉直樹さんの芥川賞受賞効果を指摘する声も出ている。

 この小説は昭和43年に『週刊プレイボーイ』に連載され、平成10年にちくま文庫に収められた長編『命売ります』。自殺に失敗した男が、自らの命を売る、との新聞広告を出したことでさまざまな騒動が起こる物語で、軽いタッチとスピード感のある展開でページをめくらせる。

 文庫刊行から17年間での部数は約4万部。それが今年7月、生誕90年に合わせて三島作品を集めたコーナーを設けた書店でじわじわと売れだした。

 「エンターテインメント的な要素が満載な小説。『仮面の告白』『金閣寺』といった三島の代表的な純文学とは印象が随分違うし知名度も低い。その意外性が受けていると思った」と筑摩書房の営業担当者、尾竹伸さん。〈隠れた怪作小説 発見!〉などと“発掘本”であることを強調する帯を付けて販売すると、人気が沸騰。その後2カ月足らずで10万部を重版し累計は21刷約14万部に達した。

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