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【くらしナビ】仕事場でストレス度測定&解消 健康管理機能付きマッサージチェア登場

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仕事場でストレス度測定&解消 健康管理機能付きマッサージチェア登場

医療関係者らとともに開発した「イナダインスパイア」の機能を説明するファミリーイナダの稲田二千武社長 =大阪市淀川区のファミリーイナダ本社

 仕事による強いストレスなどを原因とする「心の病」のため労災と認定される人が増えている状況を受け、12月に施行される改正労働安全衛生法で事業者に対し、従業員のストレスチェックが義務化される。事業者側の対策が急務だが、ストレス緩和の一助として、健康管理機能を持つ進化したマッサージチェアがいま注目されている。(財川典男)

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 ◆法改正で義務化

 厚生労働省がまとめた過労死などの労災補償状況によると、平成26年度、精神疾患による労災申請件数は1456件、労災認定件数は497件で、ともに過去最多となった。

 今回の労働安全衛生法の改正では、50人未満の事業所ではストレスチェックは努力義務にとどまるが、横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンターの山本晴義(はるよし)センター長は、「体の健康診断は普及しているが、心の健康管理は、よほどの大企業でないとおざなりになっていた。まさに産業医の原点に返る法改正」と評価する。法改正で従業員は、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」について、質問票で産業医などのチェックを受け、高ストレスの人は医師の面談が行われる。

 「結果は、本人に直接通知。本人の同意無しで事業者に提供することは禁止され、面談を受けたことで不利益な扱いをしてはならないと法律に明示されたのも進歩」(山本センター長)とみる。従来は、カウンセリングを受けると人事評価が下がるのではないかという不安が従業員にあるため、相談しにくかった。山本センター長は、ストレス解消法として「15分程度の運動や睡眠のほか、マッサージも効果がある」と指摘する。

 ◆企業向けリース開始

 マッサージチェア大手のファミリーイナダ(大阪市淀川区)は、医療機関と連携して開発した健康管理機能の付いた新機種「イナダインスパイア」の企業向けリースを9月から始める。マッサージのメカニック部分も背中部分に独立したマッサージ機構が2つあるなど業界初の機能を搭載するが、付属のタブレットで健康管理できるのが最大の特色だ。

 稲田二千武(にちむ)社長は、「開発期間は12年。ストレスチェックの義務化で中堅企業の総務担当者などに注目されており、約350社から引き合いがある」と話す。

 「肩こり緩和」「ストレッチ・姿勢調整」「活力集中」の各コースのほか「ストレス解消」コースを用意した。呼吸法のアドバイスとマッサージを組み合わせたこのコースは、心拍数を計測し、データをUSBメモリーに記録してストレス管理に役立てる。

 開発に協力した元筑波技術短期大学学長の西條一止(にしじょう・かずし)・自然鍼灸学・自律神経臨床研究所長は、「安静時の望ましい心拍数は、1分間に50~60拍ぐらい。これが副交感神経機能が安定し、リラックスしている状態。70~90拍と増加した状態は、副交感神経機能が抑制され、ストレス度が高いと判断できる」と脈拍とストレスの関係を指摘する。

 マッサージ機の脈拍計測によるストレス度の測定では、改正法で義務づけられたストレスチェックの代替にはならないが、「従業員は、約10分でストレス度を自分で自覚でき、さらにマッサージでストレス解消できる。ストレス解消で仕事の能率も上がるので、会社にもメリットがある」(稲田社長)と話す。継続利用で分かるストレス度の変化に応じたアドバイスもタブレットから得られる。

 稲田社長は「メンテナンス時にソフトのバージョンアップで血圧や体重の計測機能を追加し、総合健康管理マシンに進化させていきたい」と話している。

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