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三浦しをんさん最新作「あの家に暮らす四人の女」 何げない日常のいとおしさ

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三浦しをんさん最新作「あの家に暮らす四人の女」 何げない日常のいとおしさ

「生活って『とにかく今日を過ごす』こと。時代や階級が変わってもそんなに変わらないのかもしれない」と語る三浦しをんさん(福島範和撮影)

 ◆細雪のすごさ

 4人の名前からも分かる通り、設定のベースは谷崎潤一郎(1886~1965年)の『細雪(ささめゆき)』だ。没落する大阪・船場の商家の4姉妹を描く文豪の代表作を、三浦さんは10代で読んだ。「当時はあまりドラマのない話だな、と思ったんです。でも、改めて読み返してみるとすごい作品。2ページに1回くらい何かしらの小さな“事件”が起きているんですよね」

 『細雪』は長編だが、最後まで4姉妹の人生や思考が劇的に変わることはなく、食事や衣装といった日常の光景や、それぞれの心情が細かく描写される。「ささいな出来事、日常のなかで流れていってしまうことのなかに、驚きや喜びや波乱がある。それが“細雪イズム”なのかな。そういうところを書けたらと思ったんです」

 一見平坦(へいたん)な『細雪』の物語を動かすのは30代に入っても嫁ぎ先の決まらない三女・雪子の結婚問題だが、本作の佐知と雪乃は結婚はおろか、恋愛もご無沙汰。三浦さんは「今さら『頑張って合コン出よう!』という気力はない。佐知も雪乃もそうだけど、これからどうするんだろう、私」と笑う。

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