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【書評】『寄港地のない船』ブライアン・オールディス著、中村融訳

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【書評】
『寄港地のない船』ブライアン・オールディス著、中村融訳

『寄港地のない船』ブライアン・オールディス著、中村融訳(竹書房文庫・900円+税)

 狩人のコンプレインが生まれ育った〈居住区〉は、繁茂する植物を切り開いてつくられていた。部族の掟に縛られてきた彼は、ある日、司祭に誘われて〈前部〉へ向かう旅に出る。武装したネズミの襲撃から逃れ、無重力空間を越えて進むうちに、自分たちがいるのは巨大な宇宙船の内部だ、という〈船理論〉が正しいことに気づくが、旅路の果てに待ち受けていたのは…。極限状況のなかで「生きる力」を獲得していく人間のドラマが生々しく描かれる。1958年刊行の作品だが、邦訳は初めてという。間違いなく半世紀後も読み継がれているはず。(竹書房文庫・900円+税)

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