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戦中日本、原爆研究の新図面 京大でウラン濃縮装置 「完成 昭和20年8月19日」と記載

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戦中日本、原爆研究の新図面 京大でウラン濃縮装置 「完成 昭和20年8月19日」と記載

 海軍の原爆研究は「F研究」と呼ばれ、戦況が悪化した18年に始まった。終戦の約1カ月前に開かれた会議では、荒勝氏や湯川秀樹博士ら京大の科学者が出席したほか、東京計器の顧問が遠心分離機の構造について説明したとされる。

 関係資料は戦後、原爆研究を禁止した連合国軍総司令部(GHQ)によって押収されるなどして、ほとんど残っておらず、図面は昭和40年代に公表された1点が知られるだけだった。

 遠心分離機は容器を高速回転させ、遠心力を利用して比重が異なる物質を分離する装置。F研究では、核分裂の連鎖反応を起こすウラン235の濃度を高めるウラン濃縮に使う計画だったが、装置は完成せず、実際には使われなかった。

 日本の原爆研究はF研究のほか、旧陸軍の依頼を受け先行した理化学研究所の仁科芳雄博士による「ニ号研究」が知られる。ウラン濃縮は原爆の製造に不可欠な工程で、ニ号研究では遠心分離とは別の熱拡散法と呼ばれる方法で試みたが成功せず、日本の原爆開発はいずれも失敗に終わった。

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