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【南部陽一郎氏死去】物理学の「予言者」

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【南部陽一郎氏死去】
物理学の「予言者」

2008年10月、ノーベル物理学賞の受賞が決まり、米シカゴ大の同僚らに祝福される南部陽一郎氏(中央)=シカゴ(UPI=共同)

 5日死去したノーベル賞物理学者で米シカゴ大名誉教授の南部陽一郎氏は、極微の世界を究明する素粒子物理学で多くの世界的な業績を挙げた。その先駆的な理論から「予言者」とも呼ばれ、素粒子の標準理論の構築に大きく貢献した。

 ノーベル賞に輝いた「対称性の自発的破れ」理論は、物質になぜ重さがあるのかという根源的な謎を解く手掛かりを示した。畑違いの超電導分野から着想を得た革新的な理論で、1961年の発表当初、物理学者の多くはその意義を理解できなかったという。

 2013年に発見され、ノーベル賞の対象となった物質に重さを与えるヒッグス粒子は、欧米の学者が南部氏の理論を基に存在を予想したものだった。南部氏のずば抜けた先見性に、世界は半世紀を経て改めて喝采を送った。

 南部氏は素粒子論で重要な量子色力学の構築にも貢献。さらに究極の理論として注目されている「超ひも理論」の基礎を築いたことでも知られる。世界的な業績をいくつも成し遂げた点でも傑出した存在だった。

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