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【書評倶楽部】じつにかっこいい男たち 『佐治敬三と開高健 最強のふたり』北康利著 書評サイト「HONZ」代表・成毛眞

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【書評倶楽部】
じつにかっこいい男たち 『佐治敬三と開高健 最強のふたり』北康利著 書評サイト「HONZ」代表・成毛眞

成毛眞氏

 白洲次郎ブームの火付け役となった『白洲次郎 占領を背負った男』の著者、北康利が描く佐治敬三と開高健の評伝である。面白くないわけがない。

 この2人に共通するのは、ほぼ同時代を生きた関西人であり、見た目にも、その業績も、そして生き方そのものが、じつにかっこいい男たちだったということだ。

 佐治敬三は創業者である実父、鳥井信治郎の跡をつぎ、グローバル企業サントリーに育てた名経営者である。開高健は大江健三郎をおさえて27歳で芥川賞を受賞した大作家だ。出会ったときには上司と部下だった2人だが、互いに兄弟よりも近しい、骨肉の関係と自認する間柄となっていく。

 ビジネスパートナーとしてホンダの本田宗一郎には藤沢武夫が、ソニーの井深大には盛田昭夫がいた。しかし佐治敬三が選んだパートナーは、経営者でも参謀でもない、コピーライターの才能を持つ作家だった。

 本書のなかにも随所に煌(きら)めくような言葉が登場する。有名な「やってみなはれ」はもちろん、この時代を象徴する「人生はとどのつまり賭けや」は現代のベンチャー経営者も共有できるはずだ。

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