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【美の扉】画鬼・暁斎 KYOSAI 想像力に満ちた多彩な画業

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【美の扉】
画鬼・暁斎 KYOSAI 想像力に満ちた多彩な画業

「大和美人図屏風」明治17~18年 京都国立博物館寄託(8月2日まで展示)

 ゴテゴテしていてグロテスク、劇的でエキセントリック。幕末から明治に活躍した絵師、河鍋暁斎の作品にはそんなイメージがある。いま東京・丸の内の三菱一号館美術館で開かれている展覧会では、その印象を変える多彩な鬼才の姿を見ることができる。

 暁斎は伊藤若冲、曾我蕭白らとともに、しばしば「奇想の画家」の系譜で語られるが、作品は決して奇抜さだけではない。たとえば「大和美人図屏風」。右に描かれた女性は遊女で、体のしなやかな線が印象的。背景にはくねったあぜ道があり、日本的な田園風景が広がる。遊女の立ち姿は江戸時代前期の浮世絵のスタイルが踏襲され、さりげなく伝統を取り入れている。左の絵の背景には、金箔を細かい粉にして装飾するなど大和絵の技法もみられる。

 暁斎はずば抜けた技量の持ち主としても知られる。米国のメトロポリタン美術館から里帰りした画帖の中の「うずくまる猿図」は、猿の毛の一本一本まで柔らかく繊細に描写した。

 またユーモアがあるのも魅力。「美人観蛙戯図」は、しゃがんだ美人が庭でカエルを見ている絵。「美女とカエル」というモチーフが奇抜だが、戯れるカエルの姿が面白い。ウイットに富み、日本最古の漫画といわれる「鳥獣戯画」のように愉快で楽しい。暁斎はカエルが好きで「風流蛙大合戦之図」といったダイナミックで空想世界に遊んだ合戦図も制作した。

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