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【話の肖像画】食生活ジャーナリスト・岸朝子(2)「栄養学の母」と「世界のカキ王」に学ぶ

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【話の肖像画】
食生活ジャーナリスト・岸朝子(2)「栄養学の母」と「世界のカキ王」に学ぶ

主婦の友社に入社し、料理記者としての道を歩き始めた頃 (akオフィス提供)

 〈昭和30年から働いていた主婦の友社を43年に辞め、母校の女子栄養大学出版部が発行する月刊誌「栄養と料理」の編集長に就任した〉

 恩師の香川綾先生(1899~1997年)のお誘いで、母校に移りました。綾先生は、私が女学校卒業後に入学した女子栄養学園(後の女子栄養大学)の創設者です。ご自分で主婦の友社の社長に頼みに行かれて社長に掛け合い、私を引き抜かれたのです。綾先生は「食の大切さ」「料理を作ることの楽しさ」を教えてくださいました。尊敬する大好きな先生です。卒業してからも、ずっとお付き合いがありました。

 〈日本の“栄養学の母”とされる女医の香川綾は、計量カップと計量スプーンを考案。それまでは「ほどほどに柔らかくなったら」「おしょうゆをたらたらと」など勘と経験が頼りだった料理作りを数値化することで、初心者にも分かりやすいレシピを作った〉

 昔のレシピは匁(もんめ)とグラムが混在していたりして分かりにくいものでした。そこで、雑誌や本を通じて綾先生のやり方を普及させようと思いました。今では料理のレシピで当たり前に使われている「大さじ」「小さじ」の分量表記は、綾先生が考え出されたものです。誰でも料理が作れるようにと、ご自分は既に戦前から使われていました。世の中に広がりましたね。

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