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【本郷和人の日本史ナナメ読み】(63) 信康切腹、謎解きのカギは「長篠」

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【本郷和人の日本史ナナメ読み】
(63) 信康切腹、謎解きのカギは「長篠」

竹中重治(半兵衛)の肖像(模本、東大史料編纂所蔵)

 天正3(1575)年5月21日、三河国長篠城(現愛知県新城市長篠)をめぐり、織田信長と徳川家康の連合軍3万8千と、武田勝頼の軍1万5千が激突しました。戦いは織田・徳川連合軍の勝利に終わり、武田軍は信玄以来の宿老を多数失いました。武田家滅亡の第一歩となったこの戦いが、史上有名な「長篠の戦い」です。

 長篠の戦いというと、議論の焦点になるのは「鉄砲」です。織田信長が鉄砲3千丁によって3段撃ちを行い、この戦術が戦国最強の武田騎馬隊を完膚なきまでに打ち破った。でもこれは史実か。鉄砲は3千丁もあったのか。3段撃ちは有効だったのか、あるいはそんなことができるのか。そもそも騎馬隊などというものが存在したのか。そうしたことが話題となり、話は尽きません。

 今のところの議論のありようを確かめるには、吉川弘文館から出版された平山優さんの2冊の本、『長篠合戦と武田勝頼(敗者の日本史9)』と『検証 長篠合戦(歴史文化ライブラリー)』をおすすめします。著者の主張への賛成・反対、意見はさまざまでしょうが、フェアな記述をしているこの本は、意見を戦わせるための共通の土台を用意してくれます。

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