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【貳阡貳拾年 第6部 五輪報道の未来図】8Kテレビが演出を変える サッカー、水泳、マラソン…高精細映像で「世界一」目指す 

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 そう語るだけの実績もある。平成13年に福岡で開催された世界水泳選手権を担当したテレビ朝日は、主催者の国際水泳連盟(FINA)に、2つの演出上の新たな提案をした。

 一つはコース上に動く赤いラインを表示し、世界記録を視覚的に分かるようにすること。もう一つは、選手がゴールした瞬間、コース上に出身国の国旗CGを表示する演出だ。これらは、後に五輪国際映像の演出としても採用される。

 競泳中継には、ある弱点があった。選手は水泳帽やゴーグルを身に付けているため、どの選手がどのコースを泳いでいるのか、視聴者には分かりにくい。画期的な演出に、関係者からは「視聴の邪魔になる」という意見もあったという。しかし、分かりやすさを重視した取り組みはその後、世界標準として定着した。

 日本のテレビ局の独自演出は、マラソン中継でも際立っている。他国の場合、先頭集団の前に中継車を走らせ、トップ争いしか撮影しないことが多い。日本の場合はオートバイや2、3号車と複数の車両を使い、後続グループの動向も細かく押さえる。三雲は「目の肥えた視聴者に満足してもらうため、日本のテレビ局は技術力や演出力を磨いてきた。マラソンやほかの競技も東京五輪までに日本の映像制作を世界標準に持っていきたい」と語る。

 近年の五輪では、国際オリンピック委員会(IOC)傘下のオリンピック放送機構(OBS)が映像制作を担当し、部分的に各国のテレビ局の協力を得ている。

 NHKと民放各局は1984年のロサンゼルス大会以来、放送権取得などを効率的に行うための団体、ジャパンコンソーシアム(JC)を組織。JCはOBSから受け取った国際映像に実況や解説を付けて国内向けに放送するほか、OBSの映像制作に協力してきた。JC参加のテレビ各局は、東京大会に向けた準備を進めている。

 フジテレビは昨年8月、女子バレーボールのワールドグランプリを4Kカメラで初めて収録。今年4月には、全日本選抜柔道体重別選手権を4K体制で初めて中継し、ノウハウの蓄積を急ぐ。同局スポーツ局専任局次長の小松勇介は「4K中継にはまだスローカメラがなく、文字スーパーを載せる対応システムがないなど支障も多い。実際に中継することで課題に気付くことができる」と話す。

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