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【本郷和人の日本史ナナメ読み】(61)「新田は源氏」知らなかった家康

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【本郷和人の日本史ナナメ読み】
(61)「新田は源氏」知らなかった家康

「三位中将藤原家康」との署名がある天正14年の家康書状=「御庫本古文書纂 徳川家康判物写」東大史料編纂所所蔵謄写本

 産経新聞でもご紹介いただいたのですが、新潮新書で『戦国武将の明暗』という本を出しました。読みやすいし、たぶん面白いので、ご一読のほどを、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ところでこの本に関して、ある読者から、あなたはなぜ他の研究者の説に言及・批判しないのか、と質問されました。学術論文ではないから必要ない。これが公式の答え。さらにより正直にいえば、A氏説のここがダメ、あそこがヘン、と(とくに若い方に対して)ダメ出しするのが申し訳なくなったというか、落ち着かなくなってきたのです。でも、勉強不足と思われるのも心外なので、これまでの連載とも関連する徳川家康の叙任問題をとりあげ、従来の説を検討してみましょう。

 徳川家康はもとは松平元康を名乗っていましたが、今川家から独立するに際し、今川義元の偏諱(へんき)である「元」を捨て、松平家康になりました。そうして永禄9(1566)年までには三河を平定し、この年、朝廷から従五位下・三河守の叙任を受け、徳川氏に改称。「徳川家康」ができあがったのです。

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