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【解答乱麻】「愛国心」はけしからん? 道徳の教科化めぐり…

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【解答乱麻】
「愛国心」はけしからん? 道徳の教科化めぐり…

貝塚茂樹武蔵野大教授

 もちろん、国民が政府のあり方や政策を批判するということは、健全な国家としては当然である。坂本多加雄が述べたように、本来「愛国心」とは、決して自国の正しさや美点のみを強調することではなく、「日本の過去に生きた人々の様々な事業や苦難や幸福や不幸や、さらには、それに処した精神の構えへの『共感』のなかから生まれる」はずのものである。

 つまり、日本の過去の偉業や失敗も含めて丸ごと「共感」し、受け止めることから「愛国心」は醸成されるのであり、立派な歴史を持つから愛するのでも、正しさや美点があるから愛するわけでもない、ということである。

 「京都学派四天王」の一人と称せられた高坂正顕もまた、「日本を愛するに値する国にする」という意味での向上的愛国心が重要であると述べた。昭和41年に高坂が起草してまとめた中央教育審議会答申(別記)「期待される人間像」は、「愛国心」を次のように明快に定義している。「国家は世界において最も有機的であり、強力な集団である。個人の幸福も安全も国家によるところがきわめて大きい。世界人類の発展に寄与する道も国家を通じて開かれているのが普通である。国家を正しく愛することが国家に対する忠誠である。正しい愛国心は人類愛に通ずる。真の愛国心とは、自国の価値をいっそう高めようとする心がけであり、その努力である」

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