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【美の扉】「没後50年小杉放菴-〈東洋〉への愛-」展 洋画と日本画 共鳴する魅力

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【美の扉】
「没後50年小杉放菴-〈東洋〉への愛-」展 洋画と日本画 共鳴する魅力

「水郷」明治44年 東京国立近代美術館

 おおらかで洒脱(しゃだつ)。見る者を笑顔にさせてくれる。そんな魅力があるのが明治から昭和にかけて活躍した画家、小杉放菴だ。いま没後50年を記念した放菴の回顧展が、東京の出光美術館で開かれている。

 その名前からして日本画のイメージが強いが、もともとは洋画家として出発した。

 油彩画の代表作に「水郷」がある。描かれたのは漁網を持ち、日焼けしてたくましい男だ。霞ケ浦に接し、水郷の地として知られる茨城県の潮来(いたこ)で取材したという。水辺には一面草が生い茂り、一見、日本的な風景だが、背後には蒸気船が浮かび西洋の匂いも漂わせる。

 30歳の頃、小杉未醒(みせい)を名乗っていた時代の作品。明治44年の文展(現日展)で最高賞を受賞し、文部省(現文部科学省)の買い上げとなった。当時、美術評論を試みていた夏目漱石はこの作品を見て「画家の感情が籠つてゐる」と高く批評した。

 淡い色彩が特徴の19世紀フランスの画家、ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの「貧しき漁夫」からの影響が研究者から指摘されている。立って下を向いた人物のポーズや陰影を抑えた色彩もよく似ていて、放菴自身、シャヴァンヌに傾倒していたことを明かしている。

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