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【編集者のおすすめ】『昭和天皇 七つの謎』加藤康男著

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【編集者のおすすめ】
『昭和天皇 七つの謎』加藤康男著

『昭和天皇 七つの謎』加藤康男著(ワック・1600円+税)

 ■東京裁判史観へ大胆な挑戦

 著者の加藤康男氏は、大手出版社を退職後、近現代史を中心に執筆活動を続けられ、平成23年に出版された『謎解き「張作霖爆殺事件」』(PHP新書)では、山本七平賞奨励賞を受賞されています。

 そんな加藤氏が月刊誌『WiLL』に昨年1年間連載してまとまったのが本書です。連載前に内容の骨子は加藤氏から伺っていたのですが、連載がスタートし、第1回を読んで何とも言えぬ興奮を覚えたのが忘れられません。

 それは、本書第1章の「よもの海は替え歌だった」なのですが、まさに昭和史の常識を覆すものだったのです。

 先の大戦の開戦3カ月前に開かれた御前会議で、昭和天皇は明治天皇の有名な御製(ぎょせい)を引かれ、世の安寧を願ったとされています。その歌とは、「よもの海 みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」というものです。

 ところが驚くことなかれ、この御前会議を取り仕切った近衛文麿の手記には、「波風」ではなく「あだ波」と記されていて、近衛だけでなく、陸軍参謀総長・杉山元のメモにもそうあったのです。

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