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【書評】『デブを捨てに』平山夢明著        

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【書評】
『デブを捨てに』平山夢明著        

『デブを捨てに』

 〈腕はまだ折れていない。「うでとでぶどっちがいい?」「はい?」「腕とデブ、選べ」〉〈猛烈な勢いで脳が動いた。それこそ前頭葉から煙が出そうなぐらいに。「デブで」〉。というわけで借金を返せない俺はデブを捨てに行くはめになり、クルマで処分屋のところへ向かうことになったが…という表題作など4編を収録。著者が描き出すのは、醜悪と理不尽と無慈悲が覆い尽くす世界。決して抜け出せない泥沼であがき、沈みゆくロクデナシども。暴力の嵐、飛び散る汚物。非道すぎる…と何度も落ち込みつつ、なぜか読後感は爽快。懲りないってのはくじけないってこと。(文芸春秋・926円+税)

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