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【解答乱麻】人口減社会で不安拭う施策を ジャーナリスト・細川珠生

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【解答乱麻】
人口減社会で不安拭う施策を ジャーナリスト・細川珠生

 それには、物理的、精神的要因があったと思っている。特に、努力すれば評価が伴う仕事とは違い、育児はあまりに単調で、努力と評価がなかなか結び付かない。その中で、仕事には評価が伴うし、周囲に迷惑も掛けられない。とはいえ、育児をしながらでは、結局どちらも中途半端…。

 安倍晋三政権では少子化対策に本腰を入れ、昨年、経済財政諮問会議の専門調査会である「選択する未来委員会」が、50年後も人口1億人以上を維持するため出生率を2.07にすることを提言した。

 来年度予算案も、同委員会の中間報告が反映された「骨太の方針」が基となっている。数字上の解釈であるが、現在の人口構造の中では、1人の女性が3人以上の子供を産まなければ人口は増えないとされている。つまり「2.07」という目標値は人口減のスピードを遅くするにすぎないのだ。

 それでも国としては見過ごしていい問題ではないのはわかるが、社会で活躍しながら子供を産み育てるということは、数字で考えるほど、簡単なことではない。数字ばかりが先行すれば、「一人っ子」親は、新たな“セクハラ”にも遭うという別の問題も生じる。

 子供を持つも持たないも、何人持つかも、個々の自由であり、個々に事情がある。労働力不足や社会保障制度の崩壊を防ぐための少子化対策なら、机上の空論と言わざるを得ない。人口減という新たな局面に入ったのなら、これまでの制度を人口規模や構造にあったものに造り替えればいいのである。制度のために国民があるのではなく、国民のために制度があるのではないだろうか。

【プロフィル】細川珠生

 ほそかわ・たまお 元東京都品川区教育委員。ラジオや雑誌などで活躍。父親は政治評論家の故細川隆一郎氏。

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