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【大学ナビ】針路を聞く 学校法人「昌平黌」・緑川浩司理事長

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【大学ナビ】
針路を聞く 学校法人「昌平黌」・緑川浩司理事長

 ■東日本国際大が地域振興研究所 大震災を経て、学生たくましく

 東日本大震災から来月で、丸4年。東日本国際大学(福島県いわき市)は被災地の困難を乗り越えて、抜群の就職内定率を誇る。運営する学校法人「昌平黌(しょうへいこう)」の緑川浩司理事長は「復興支援のボランティアを通して、学生たちが逞(たくま)しくなった」と強調し、地域にこだわる人材育成の理念を語った。(平山一城)

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 --昨年、復興の一翼を担う研究所を設立しましたね

 「地域振興戦略研究所。所長はエジプト考古学の第一人者、吉村作治先生です。復興支援をきっかけに出会い、現在、教授と副学長をお願いしています。インターネットによるeラーニングに精通し、本学で開講したエクステンションセンターは、世界中で質の高い講義が無料受講できる、と好評です。研究所では、震災と原発事故からの復興を確実にし、行政や企業と連携して地域の活性化を図ります。残念ながら現状は、従来のものを作り直している段階。ここで5年、10年先のビジョンを描かなければ、『元のいわき市と変わらない』ということになります。大学の地域貢献策を強化する拠点にします」

 --大学も被害を

 「1号館校舎が被災し、建て直しました。創立110周年に当たる2013年2月の完工です。建学の精神に、孔子の教えに基づく儒学を掲げており、6階屋上に湯島聖堂を模した大成殿を造りました。災害はハンディになりましたが、それを逆手に学生たちは成長しています。震災翌年の卒業式、それまで仲間との別れがつらいと泣いていた学生たちの表情が変わっていました。復興支援のボランティアは『義を行い以(もっ)てその道に達す』という学是の実践、修練の場となったのです。大学は経済情報と福祉環境の2学部ですが、13年度の卒業生はそろって、就職内定率100%を達成しました。しかも、都会志向の強かった学生たちが地元での就職に向かう傾向も生まれました」

 --自慢の少人数教育は「平成の寺子屋」と…

 「両学部とも少人数制のゼミを中心に据えています。小さな大学でこそ可能な、きめ細かな教育を本学では『寺子屋』に擬しているのです。ゼミ担当の教授はアドバイザーの役割も担い、学生との定期的な面談を通して、学業から就活まで相談に応じます。学生・大学・保護者の『三位一体』での努力が内定率のアップにつながったのです。就職試験で難関を突破した学生が出ると、その情報が瞬く間にキャンパスをめぐり、他の学生に好影響を与えます。アジア各国からの留学生との交流も密です。在校生には海外研修制度を設け、3年生の秋までに中国語検定4級以上を取得すれば、本学が指定する中国の大学への留学費用を一部負担します。『国際大学』にふさわしい知識・教養を身につけられるよう、理事会と教授会が一体になって努力しています」

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【プロフィル】緑川浩司

 みどりかわ・ひろし 東京理科大学卒。会社勤務を経て、学校法人「昌平黌」に。評議員や専任講師などを務め07年、理事に就任。法人事務局長や東洋思想研究所教授など歴任し、12年から理事長。63歳。

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